§ 05

先天性副腎皮質過形成

Congenital Adrenal Hyperplasia  ·  CAH

副腎ステロイド合成酵素の先天的欠損による疾患群。21-水酸化酵素欠損症が95%を占める。新生児マススクリーニング対象疾患であり、塩類喪失型は新生児期に生命危機となる。国試では酵素欠損の上流・下流ホルモンの変化を問う設問が頻出。

Past Questions04
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01Overview

総論

CAHはステロイド合成経路上の酵素欠損により、コルチゾール合成が障害される常染色体劣性遺伝疾患の総称。コルチゾール低下によるネガティブフィードバック解除でACTHが上昇し、副腎皮質が過形成となる。欠損酵素の種類により上流ホルモンの蓄積と下流ホルモンの欠乏が生じる。

Key Point
21-水酸化酵素(CYP21A2)欠損が約95%。ステロイド合成経路を「どこが詰まって何が溜まり、何が足りないか」で理解することが、すべての問題の鍵。
02Pathophysiology

21-水酸化酵素欠損症の病態

21-水酸化酵素はプロゲステロン→11-デオキシコルチコステロン(DOC)、17-OHプロゲステロン→11-デオキシコルチゾールへの変換を触媒する。欠損すると:

03Subtypes

病型分類

病型酵素活性特徴発症時期
塩類喪失型(SW型)ほぼ消失低Na・高K・脱水クリーゼ+男性化新生児期
単純男性化型(SV型)1〜2%残存男性化のみ、電解質異常なし乳幼児〜学童
非古典型(NC型)20〜50%残存軽度男性化、思春期早発・不妊思春期〜成人
04Differential

鑑別のポイント

21-水酸化酵素以外の酵素欠損も国試・専門医試験で問われる。高血圧の有無男性化の有無の組み合わせで主要3病型を鑑別できる。鍵は11-デオキシコルチコステロン(DOC)の蓄積(鉱質コルチコイド作用 → 高血圧)と、アンドロゲン経路への流入の有無(男性化)である。

疾患・病型高血圧男性化
21-OH欠損症なしあり
11β-OH欠損症あり
(DOC↑)
あり
17α-OH欠損症あり
(DOC↑、corticosterone↑)
なし
副腎皮質過形成症の鑑別のポイント:21-OH欠損症(高血圧なし・男性化あり)、11β-OH欠損症(高血圧あり DOC↑・男性化あり)、17α-OH欠損症(高血圧あり DOC↑ corticosterone↑・男性化なし)
副腎皮質過形成症の鑑別のポイント — 高血圧と男性化の有無で3病型を鑑別
Key Point
17α-OH欠損症は性ホルモン合成経路も遮断されるため男性化なし11β-OH欠損症はDOC蓄積で高血圧をきたしつつアンドロゲン経路は温存されるため男性化あり。21-OH欠損症はDOC蓄積を伴わないため高血圧なしだが、塩類喪失型では副腎不全クリーゼをきたしうる。
05Clinical features

臨床像

06Diagnosis

診断

i
新生児マススクリーニング

生後4〜6日のカカト血(ろ紙血)で17-OHPを測定。閾値以上で要精査となる。本邦では1989年より開始。

ii
確定診断

血中17-OHP高値(基礎値または ACTH 刺激後)が決め手。副腎アンドロゲン(DHEA-S・アンドロステンジオン)も上昇。コルチゾール低値、ACTH高値を伴う。遺伝子解析(CYP21A2変異)で確定。

07Treatment

治療

08 Past Questions

過去問

Past Question
Q 1 第116回 医師国家試験 D問題 問4

先天性副腎皮質過形成症の維持療法中に発熱を呈した場合、初期対応として適切なのはどれか。

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正解:d

Q 2

18 歳の女子。無月経を訴えて来院した。二次性徴の遅れがあり、陰毛が欠如。血圧 160/110 mmHg。血清生化学所見:尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、Na 148 mEq/L、K 3.0 mEq/L、血漿レニン活性 0.3 ng/mL/h(基準 1.2〜2.5)。

この患者で高値が予想される血中ホルモンをすべて選べ。

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正解:ade

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