§ 04

副腎不全

Adrenal Insufficiency  ·  Addison's Disease

副腎皮質ホルモンの分泌低下による全身性疾患。一次性(副腎自体の障害)と二次性(ACTH欠乏)の鑑別は色素沈着・電解質異常の有無が鍵。副腎クリーゼは生命を脅かす緊急事態で、即座のコルチゾール補充が求められる。

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01Overview

総論

副腎不全は副腎皮質ホルモン(コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロゲン)が慢性的に不足する状態。1855年にThomas Addisonが記載したAddison病(一次性副腎不全)が最も有名。本邦では自己免疫性副腎炎が最多原因(約80%)。

02Classification

一次性 vs 二次性

項目一次性(Addison病)二次性(ACTH欠乏)
病変部位副腎皮質下垂体・視床下部
主な原因自己免疫性、結核、出血長期ステロイド投与、下垂体腫瘍
ACTH↑↑(代償性上昇)
コルチゾール
アルドステロン↓(鉱質コルチコイドも欠乏)正常(RAA系は保たれる)
Na/K低Na・高K低Na(軽度)のみ
色素沈着あり(ACTH↑→MSH↑)なし
鑑別の要点
色素沈着(口腔粘膜・手掌の皺・乳輪・瘢痕部)は一次性副腎不全に特徴的。ACTHとともにMSH(メラノサイト刺激ホルモン)が分泌されるため。二次性では色素沈着を認めない
03Clinical features

臨床像

04Adrenal Crisis

副腎クリーゼ

慢性副腎不全患者が感染・外傷・手術・精神的ストレスなどのストレス下に置かれ、コルチゾール需要が急増したときに発症する急性副腎不全。診断を待たずに治療を開始することが原則。

緊急治療
①生理食塩水500〜1000 mLを急速静注。②ヒドロコルチゾン100 mg ivを直ちに投与 → 以後8時間ごと or 持続点滴。③血糖補正(低血糖合併時)。④誘因の検索・治療。

シックデイルール:慢性副腎不全患者は発熱・下痢・嘔吐などの際は平常量の2〜3倍のヒドロコルチゾンを内服するよう患者教育を行う。嘔吐して内服困難な場合は自己注射または医療機関受診を指示する。

05Diagnosis

診断

i
基礎値測定

早朝(8時)の血中コルチゾール測定。<3 μg/dLで副腎不全を強く示唆。>18 μg/dLで実質的に除外。

ii
ACTH刺激試験

合成ACTH(コートロシン)250 μgを静注し、30・60分後のコルチゾールを測定。最高値≥18 μg/dLを正常反応とし、これを下回る場合に副腎不全と診断。一次性・二次性の確定にはACTH基礎値も参考にする。

iii
原因検索

一次性:副腎CT(両側副腎萎縮 or 結核性石灰化)、21-水酸化酵素抗体など。二次性:下垂体MRI、他の下垂体ホルモン測定。

06Treatment

治療

07 Past Questions

過去問

Past Question
Q 1 第116回 医師国家試験 A問題 問35

52 歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。6 週間前に進行肺腺癌と診断され、4 週間前に免疫チェックポイント阻害薬による初回治療を受けた。全身倦怠感が出現したため受診した。意識は清明であるが受け答えは緩慢である。体温 36.8 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 72/50 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97 %(room air)。軽度腫大した甲状腺を触知する。血液所見:赤血球 320 万、Hb 12.0 g/dL、Ht 38 %。血液生化学所見:血糖 104 mg/dL、TSH 0.1 μU/mL(基準 0.2〜4.0)、ACTH 2.0 pg/mL(基準 60 以下)、FT4 1.8 ng/dL(基準 0.8〜2.2)、コルチゾール 0.1 μg/dL(基準 5.2〜12.6)であった。胸部エックス線写真で原発巣の縮小を認める。甲状腺超音波検査では軽度の甲状腺腫大以外は異常を認めない。

治療として適切なのはどれか。

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正解:e

Q 2 第117回 医師国家試験 F問題 問18

食思不振により体重が減少するのはどれか。2 つ選べ。

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正解:bc

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